フォーラム開催概要
- テーマ:医療機関・自治体による実践と連携
- 日 時:2026年8月22日(土)14:00~15:40
- 場 所:日本橋ライフサイエンスビルディング 10階 会議室
- 内 容:成果報告、講演、討論
- 参加者:353名
- 共 済:日本プレコンセプションケア研究会、こども家庭科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)「プレコンセプションケアの取組の実態把握や評価指標開発等に資する研究」研究班
フォーラム開会報告
今回のフォーラムでは、「医療機関・自治体による実践と連携-」をテーマにとし、成果報告、講演を行いました。
当日は、医療従事者、自治体・行政関係者、企業関係者から延べ353名(会場:約23名、オンライン:約330名)の方にご参加いただき、盛会のうちに終了しました。
ご支援・ご協力をいただいた皆様、ご参加いただいた皆様に心から感謝申しあげます。
1.開催挨拶
開会の挨拶では、国内におけるプレコンセプションケアの歩みと、近年の国の施策を受けて、プレコンセプションケアが理念の普及から実装の段階を迎えていることが述べられました。そのうえで、誰が、どこで、どのように支援を提供するかを具体的に構築していくためには、診療科や職種の枠を越え、医療機関、自治体、行政、企業などが連携することが重要であると、本フォーラム開催の趣旨が示されました。

帝京大学 臨床研究センター 教授 、センター長 大須賀 穣
2.令和7年度こども家庭科学研究費補助金 「プレコンセプションケアの取組の実態把握や評価指標開発等に資する研究」成果報告
令和7年度に実施した医療機関および自治体におけるプレコンセプションケアの取組に関する実態調査の結果を報告するとともに、今後の支援体制として「全国プレコン外来モデル」と「学会連携モデル」の構想を紹介しました。
国立成育医療研究センター女性総合診療センター女性内科 診療部長 荒田 尚子
<報告概要>
- 全国236医療機関を対象とした調査では、回答した85施設のうち28施設がプレコンセプションケア相談外来を開設しており、14施設が今後の開設を予定していました。一方、人員不足、診療報酬の未整備、専門的知識の不足、地域偏在などが、開設・運営上の課題として挙げられました。
- 開設施設では、慢性疾患や妊娠合併症などに関する複雑な相談が多く、産婦人科と他の診療科との連携に加え、助産師、薬剤師、遺伝カウンセラーなど、多職種による支援の必要性が示されました。また、男性、インターコンセプションケア、不妊診療領域への対応は、今後さらに充実が必要な分野と考えられました。
- 自治体調査では、全47都道府県および388市町村から回答が得られ、計画の策定、啓発資材の作成、講演会や出前講座、ウェブサイトによる情報発信など、各地域で取組が進められていることが明らかになりました。一方、一般相談の提供体制については、今後の課題であることも示されました。
- 今後の体制として、地域の一般相談窓口や医療機関、全国の専門相談施設、複雑な相談に対応する重点施設をつなぐ「全国プレコン外来モデル」と、各専門学会が疾患別の教育や支援ツールの作成を担う「学会連携モデル」が提案されました。さらに、教育、エビデンスの整理、調査、学会横断的な連携、情報発信などを担う支援基盤の必要性が示されました。
3.講演「医療機関におけるプレコンセプションケアの実際」
▪️プレコンセプションケア外来の3年間-実践から見えてきたもの-
千葉大学医学部附属病院 産科・婦人科 助教 佐藤 美香
▷講演資料ダウンロード:プレコンセプションケア外来の3年間-実践から見えてきたもの-
▪️当科プレコンセプション外来の現状
神戸大学大学院医学研究科 産科婦人科学分野 産科生殖医学部門 特命教授 谷村 憲司
▷講演資料:当科プレコンセプション外来の現状
▪️糖尿病女性へのプレコンセプションケアの実践― 診療科連携から始めるプレコンセプションケア ―
国立病院機構長崎医療センター 産婦人科 医長 菅 幸恵
▷講演資料:糖尿病女性へのプレコンセプションケアの実践― 診療科連携から始めるプレコンセプションケア ―
4.講演「医療機関と自治体との取組」
講演では、山梨県プレコンモデルについてお話しいただきました。
山梨大学附属病院産婦人科 主任教授 吉野 修
▷講演資料:山梨県プレコンモデル
5.総合討論

<ディスカッション概要>
- 自治体などの一般相談窓口から専門的な相談に対応できる医療機関へ、相談者を円滑につなぐ体制の必要性について議論されました。全国の専門相談施設の整備に加え、施設間で疾患に関する知識や相談事例を共有する仕組みの重要性が示されました。
- 医療機関と自治体との連携事例として、妊娠と薬に関する相談への費用助成が紹介されました。費用助成によって相談者の自己負担が軽減され、受診につながりやすくなるとの意見が示されました。また、医療機関が相談実績やニーズを示しながら自治体に働きかけることが、連携や支援制度の実現につながる可能性についても共有されました。
- 院内連携を継続するためには、診療科や職種をつなぐキーパーソンやコーディネーターの存在が重要である一方、人事異動や退職などに伴う役割の継承が課題として挙げられました。また、日頃から顔の見える関係を築くこと、担当者や相談窓口を明確にすること、疾患ごとの情報を蓄積・更新して共有することなど、各施設における工夫が紹介されました。
- プレコンセプションケアを必要とする人を支援につなぐためには、産婦人科だけでなく、慢性疾患などを診療する各専門診療科の医療者が知識と相談技術を身につけることが必要であり、専門学会と連携した教育体制の整備が重要であると確認されました。
- 今後は、医療機関と自治体に加え、企業、職域、教育機関などにも連携を広げ、それぞれの取組や相談先を「見える化」し、地域の中で相談を受け止め、適切な支援へつなげられる体制を構築していく必要性が共有されました。そのためには、エビデンスを整理・発信し、分野や組織の枠を越えた連携を支えるハブとして、日本プレコンセプションケア研究会が役割を担うことへの期待が示されました。
6.開会挨拶
帝京大学 臨床研究センター 教授 、センター長 大須賀 穣
まとめ

このたびは、8月22日(土)開催の「プレコンセプションケア推進フォーラム—医療機関・自治体による実践と連携—」にご参加いただき、誠にありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、無事にフォーラムを終了することができました。ご多用のなかご参加いただきましたこと、心より御礼申し上げます。本フォーラムが、プレコンセプションケアに関する理解を深め、今後の実践や連携を考える一助となりましたら幸いです。
フォーラム終了後のアンケートでは、「医療機関におけるプレコンセプションケア外来の実際を知り、自治体としての課題も見えてきた」「自施設の立ち位置や課題を整理するうえで有意義であり、実践例を伺うことが今後の取組への意欲につながった」など、参考になったというご意見を多数いただきました。
また、今後取り上げてほしいテーマとして、「自治体・医療機関・企業による連携の実際」「企業や職域におけるプレコンセプションケアの取組」「男性や若年層へのプレコンセプションケア」「診療報酬や公的支援」などのご要望も寄せられました。いただいたご意見を、今後のフォーラムや勉強会等の企画に活かしてまいります。
本フォーラムの内容を含め、プレコンセプションケアに関してご質問やお問い合わせ等がございましたら、ホームページ内の「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
今後とも、プレコンセプションケアの推進にご理解とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
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